インプラントによる
歯科治療とは
IMPLANT
インプラントによる治療は、虫歯や歯周病、外傷などで歯を失った場合に行ないます。
インプラント体(人工歯根)を顎骨に埋め込んで上部構造(人工歯)を取り付け、歯の機能と見た目を回復させます。
天然歯と比べても遜色ない使用感を得られる方法です。
インプラントによる治療の特長
1
インプラントにすることによって、「自分の歯と同じような感覚でしっかりと噛む」ことが可能になります。
自分の歯を失って入れ歯にした場合は、違和感や食べ物が入れ歯に挟まる問題が出てくることもあり、「しっかりと噛めない」と悩んでいる方も珍しくありません。
しかし、インプラントによる治療では、失った歯の歯根の代わりとして顎骨にインプラント体を直接埋め込み、それを土台として人工歯を取り付けるため、天然の歯と同じような感覚でしっかりと噛めるのです。
また、インプラント体の材料にはチタンが多く使われています。チタンには骨と結合しやすく、劣化しにくいという特長があるため、インプラントが骨に固定されることによって、強い力がかかっても耐えられるようになるのです。
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インプラントによる治療は見た目が美しい、つまり審美的に優れていることも大きなメリットです。
保険適用の差し歯の場合はどうしても色味が不自然になってしまったり、入れ歯の場合は笑ったときに金具が見えてしまったりするケースもあります。一方、インプラントの人工歯部分にはセラミックやジルコニアなどが使われることも多いため、天然の歯と同じような自然で美しい歯が手に入れられるのです。
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失った歯の治療法としてブリッジや入れ歯を選択した場合、残っている歯を削る必要が出てくるため、健康な歯に負担をかけてしまうことは避けられません。
インプラントによる治療では、一部の治療法を除いて周りの歯を支えにせずに独立した治療が可能なため、残っている健康な歯に負担をかけずに済むのです。
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天然の歯の歯根部分は顎骨に埋め込まれているため、歯を失ってしまうと顎骨は次第に痩せていってしまいます。
ですがインプラントによる治療では、直接顎骨にインプラント体を埋め込むため、直接刺激が顎骨に伝わるようになり、顎骨が痩せてしまうのを防げるのです。
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インプラントによる治療によってしっかり噛めるようになることは、健康面・精神面の向上にもつながります。
私たち人間は噛むことによって脳に刺激を与えることができ、それによって脳が活性化されるのです。
また、しっかり咀嚼できるようになると唾液の分泌が促されます。
ほかの治療との比較
比較種別 | インプラント | 義歯・入れ歯 | ブリッジ |
平均寿命 | 10年以上 | 4~5年以上 | 7~8年以上 |
メリット | 自分の歯と変わらない噛み心地を得られる 審美的に優れたセラミック製の人工歯を作れる 周囲の健康な歯に負担をかけずに済む 自分の歯を極力残す形で治療できる |
短期間で治療できる保険診療で費用を抑えられる 審美的に優れた素材を使う治療もできる |
短期間で治療できる保険診療にすると金銭的負担が抑えられる 見た目が自然な素材で治療できる しっかり固定されるのでほとんど違和感なく噛める |
デメリット | 数ヵ月の長い治療期間が必要となる外科手術による痛み、出血、腫れ、合併症などへの懸念がある 自費診療なので費用がかかる 全身疾患などがある場合は適用できない場合がある |
噛み心地が不安定で、硬い食べ物は噛みづらい 発音に影響して、しゃべりづらくなる場合がある 金具が目立つ 食べカスが溜まって虫歯・歯周病になりやすい |
ブリッジを取り付けるために天然歯を削る必要がある 固定源になった歯に負荷をかける 食べカスが挟まって虫歯・歯周病を起こしやすい |
比較種別 | インプラント |
平均寿命 | 10年以上 |
メリット | 自分の歯と変わらない噛み心地を得られる審美的に優れたセラミック製の人工歯を作れる周囲の健康な歯に負担をかけずに済む自分の歯を極力残す形で治療できる |
デメリット | 数ヵ月の長い治療期間が必要となる外科手術による痛み、出血、腫れ、合併症などへの懸念がある自費診療なので費用がかかる全身疾患などがある場合は適用できない場合がある |
比較種別 | 義歯・入れ歯 |
平均寿命 | 4~5年以上 |
メリット | 短期間で治療できる保険診療で費用を抑えられる審美的に優れた素材を使う治療もできる |
デメリット | 噛み心地が不安定で、硬い食べ物は噛みづらい発音に影響して、しゃべりづらくなる場合がある金具が目立つ食べカスが溜まって虫歯・歯周病になりやすい |
比較種別 | ブリッジ |
平均寿命 | 7~8年以上 |
メリット | 短期間で治療できる保険診療にすると金銭的負担が抑えられる見た目が自然な素材で治療できるしっかり固定されるのでほとんど違和感なく噛める |
デメリット | ブリッジを取り付けるために天然歯を削る必要がある固定源になった歯に負荷をかける食べカスが挟まって虫歯・歯周病を起こしやすい |
デジタルCTスキャンによる
3次元的な骨の診断とガイドシステム
DIGITAL CT SCAN
より安全な治療のためのサージカルステント
・フラップレスなので低侵襲
・コンピューターでのシミュレーションを活用するので、より精確な手術ができる
・治療期間を通常の1/3程度まで短縮することができる
・神経・血管を傷付けないで済む
インプラントによる治療にはCTを活用し、術前に詳細なシミュレーションを行ないます。
デジタルCTでスキャンすると、患部を立体的に捉えられ、顎骨がインプラント手術に適した状態かどうかなどを、より的確に診断できます。2次元的なレントゲンとは違い、歯ぐき内部の歯と骨の状態、入り組んだ血管まで3次元的に詳細に確認できます。
ただし事前に精密検査を行なっても、実際の手術では計画との誤差が生じて、インプラント体の埋入角度などがずれてしまう場合があります。
当院ではこうしたリスクを回避するために、スキャンデータをもとにサージカルステント(ガイドプレート)を作製し、シミュレーション通りの安全に配慮したより精度の高い手術を行なっています。
精密なシミュレーションとガイドによる、より的確な埋入手術の実施
長く快適に使い続けられるようインプラント体を植立するためには、より精確な手術の実施が求められます。
当院ではCTで撮影したデータから、入念にシミュレーションを行ないます。血管や神経を傷付けないよう、適切な位置・角度・深度を詳細に確認し、それに従って作製したサージカルステントを用いるので、より的確にインプラント体を埋入できます。
手術時間を短縮し、患者さんの負担を軽減
CTスキャンで得られた口腔の情報から、手術をあらかじめシミュレーションしておき、サージカルステントを使って実施するので、所要時間を短縮できます。
また歯ぐきを切らずに、小さな穴を開けてインプラント体を埋入する「フラップレス手術」を採用しています。手術を短時間で済ませられ、患者さんのダメージも軽減できます。
動画にてご紹介しておりますので、興味のある方はご覧ください。
骨が少ない・
骨が薄い・骨が足りない
BONE CONSTRUCTION
顎骨が薄いなど治療が難しいケースもご相談ください
インプラント体をしっかりと植立させるためには、十分な顎骨の量が必要です。歯を失って歯槽骨が吸収されるなどして骨の厚みや高さが足りないと、インプラント体を適切に埋められません。上顎の場合には、上顎洞という頬骨内部の空洞に貫通してしまう危険もあります。
一般的に「骨量不足でインプラント手術は難しい」とされていますが、そのような患者さんも、骨造成術で対応できる場合があります。
顎骨の量を増やす骨造成術には、部位や状態に応じてさまざまな種類があります。患者さんの口腔を精密に検査して、適した方法をご提案します。
インプラントによる治療は、生活の質を向上させる優れた治療です。当院ではより多くの患者さんに受けていただけるよう、技術の向上に努めています。
<骨造成の治療方法>
- GBR法(骨誘導再生法)
- サイナスリフト法(横からアプローチする上顎洞底挙上術)
- ソケットリフト法(下からアプローチする上顎洞底挙上術)
- ソケットプリザベーション法
- ベニアグラフト法(ブロック骨移植)
~最短即日完了~
当日または翌日に噛める、
即時荷重インプラント手術
IMMEDIATE LOAD
これまでのインプラントによる治療では、インプラント体を埋入したあと、顎骨としっかり結合させて仮歯を取り付けられるようになるまでに、数ヵ月ほど待つ必要がありました。さらにセラミックの上部構造を設置して、治療が完了するまでには1年近くかかる場合もあります。
CTスキャンでシミュレーションし、サージカルステントを用いるインプラント埋入手術の場合、低侵襲に行なえるので「即時荷重インプラント手術」が可能です。インプラント体の埋入と同時に仮歯を装着し、当日から噛んで力をかけられます。
インプラントによる治療の間も、歯がない状態で過ごさずに済み、食事や会話などで不便を感じません。治療回数や費用も抑えられる方法です。
切らないフラップレス手術 FLAPLESS
・歯ぐきを切開・剥離しないので、痛みや出血、腫れ、発熱などを抑えられる
・CTスキャンデータに基づくシミュレーションで、より精確な埋入手術を行なえる
・低侵襲なので術後の回復が早く、トータルの通院回数が少なく済む
・全身疾患があるなど、外科手術が難しい方にも適用できる場合がある
通常のインプラント手術では、顎骨に埋入する穴を開けるために、歯ぐきを切開して骨から剥がします。これに対し当院では、メスを使わないフラップレス手術を採用し、患者さんへの負担をできるだけ抑えた治療を行なっています。
フラップレス手術では、歯ぐきにパンチで小さな穴を開け、剥離せずに顎骨へインプラント体を埋入します。切らないので縫合・抜糸の必要もありません。
また、手術による出血や腫れが、大幅に抑えられます。痛みも減らせるので、体への負担だけでなく、精神的なストレスも軽減できる方法です。手術時間も短く済み、治療期間全体の短縮にもつながります。
口内の状態や骨量などによっては、適さない場合もあります。事前の精密検査で診断します。
オールオン4による治療
~歯が全くない状態から歯全体を1日で蘇らせることが出来ます~
総入れ歯からも解放させることができます。
オールオン4とは、4本のインプラントでお口の中全体の歯を支える治療法です。
骨の移植などは必要ありません。
抜歯からインプラントの埋め込み、仮歯の装着まで、1日で行うことが可能です。
今まで使用していた歯や入れ歯が手術当日まで使え、その夜には新しいインプラントで支えられた仮歯で食事をとることができるようになります。
ただ、顎の骨の状態によってはインプラントの本数が多くなることもあります。
具体的な手術方法に関しては下記のような動画を紹介いたしますので、是非ご覧いただけますと幸いでございます。
上顎に対するオールオン4の紹介動画
下顎に対するオールオン4の紹介動画
インプラント10年保証 GUARANTEE
インプラントによる治療は、機能性と審美性を兼ね備えています。強度に優れたチタン製のインプラント体は顎骨と固く結合するので、毎日のケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスを行なうことで長く使い続けられます。 ただし不測の事態によって上部構造が外れたり、インプラント体が破折したりするリスクが、まったくないわけではありません。 当院では、できるだけ患者さんのご負担を軽減できる形で再治療を行なえるように、「インプラント10年保証」という制度を導入しています。
インプラント10年保証内容
指定された定期メンテナンスを受診いただくことが、再治療の保証の条件となっています。
上部構造 | 100,000円まで |
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インプラント | 200,000円まで |
<ご留意点> ・保証限度額に到達するまで繰り返し保証します。 ・役務保証であり、金銭保証ではありません。 ・アバットメントもインプラント体の保証範囲に含まれます。 ・インプラント体を埋入した日から保証が始まります。 |
保証経過年数 | メンテナンス回数 (最低履行回数) |
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1年目から2年目までの2年間 | 1年間に2回以上 |
3年目から10年目までの8年間 | 1年間に1回以上 |
<ご留意点> ・お口の中の状態により受診頻度が高くなることがあるので、担当医の指示に従ってください。 ・定期メンテナンスの費用は患者さんのご負担となり、保証には含まれません。 |
保証対象
被保証者(※)が、保証期間中に下記のいずれかに該当したとき、保証の対象となります。
※被保証者とは、保証規約に基づくインプラント保証の対象者で、保証登録後、保証書に記載された患者さんをいいます。- ・所定の定期メンテナンスを受診し、お口の中で正常に機能していた状態で保証部位が脱落または破折したとき
- ・偶発的な事故により、保証部位が脱落または破折したとき
保証対象外のケース
被保証者(※)が保証期間中に下記のいずれかに該当したとき、保証の対象外となります。
※被保証者とは、保証規約に基づくインプラント保証の対象者で、保証登録後、保証書に記載された患者さんをいいます。- ・故意や重大な過失があったとき
- ・認定歯科医療機関以外でインプラント手術を受けたとき
- ・インプラント体や上部構造の瑕疵(かし)を原因として身体に障害(病気または傷害)をきたしたとき
- ・地震・噴火・洪水・台風などの災害により脱落または破折したとき
- ・指定された定期メンテナンスを受診されていないとき
ご利用時のご注意
インプラントによる治療は、定期メンテナンスを継続的に受診することによって、その効果を最大限に発揮し、長期間安定した状態を維持できるものです。
そのため、患者さんに定期メンテナンスを受診していただくことが再治療の保証条件となっています。
インプラントを長持ちさせるために LONG LASTING
インプラント埋入手術後のメンテナンスが重要です
インプラントによる治療は、人工歯根を埋入するので顎骨が痩せず、しっかりと噛めて長く快適に生活できる方法です。良好な使用感を持続させるには、定期的なメンテナンスが重要です。口内の病気やインプラントの不具合は、定期検診で早期発見・早期治療しましょう。
またインプラントの製造メーカーは複数あり、種類や大きさなどがさまざまなので、専用の器具でないと対処できない場合があります。手術をした歯科医院で、メンテナンスを受けるようにしてください。
患者さんへのお願い
インプラント体は顎骨と直接結合するので、天然歯と違って衝撃を和らげる歯根膜がありません。このため歯周組織への負荷が大きくなり、血液の供給が少なくなるため、感染症にかかりやすい状態となっています。
病気や不具合を防いで、健康でより安全にインプラントを使い続けるために、歯科医院での定期検診を継続してお受けくださるようお願いいたします。
インプラント周囲炎とは
インプラント周囲炎はメンテナンスで予防できます
インプラント体はチタン製、上部構造はセラミック製なので、虫歯になることはありません。しかし不衛生にしていると、埋入した箇所が「インプラント周囲炎」を引き起こす場合があります。炎症によって歯槽骨がダメージを受けると、インプラント体を支えられなくなり、脱落してしまう危険性もあります。
毎日の歯磨きはもちろんのこと、定期的に歯科医院でプロのメンテナンスを受ければ、インプラント周囲炎のリスクを大幅に低減できます。
リスク・副作用 RISKS / SIDE EFFECTS
・機能性や審美性を重視するため自費(保険適用外)での診療となり、保険診療よりも高額になります。
・インプラント体の埋入にともない、外科手術が必要となります。
・高血圧症、心臓疾患、喘息、糖尿病、骨粗鬆症、腎臓や肝臓の機能障害などがある方は、治療を受けられないことがあります。
・手術後、痛みや腫れが現れることがありますが、ほとんどの場合1週間ほどで治ります。
・手術後、歯ぐき・舌・唇・頬の感覚が一時的に麻痺することがあります。また、顎・鼻腔・上顎洞(鼻腔の両側の空洞)の炎症、疼痛、組織治癒の遅延、顔面部の内出血が現れることがあります。
・手術後、薬剤の服用により眠気、めまい、吐き気副作用が現れることがあります。
・手術後、喫煙や飲酒をすると治療の妨げとなるので、1週間は控えてください。
・インプラントの耐用年数は、口腔内の環境(骨・歯ぐきの状態、噛み合わせ、歯磨きの技術、メンテナンスの受診頻度、喫煙の有無など)により異なります。
・毎日の清掃が不十分だった場合、インプラント周囲炎(歯ぐきの腫れや骨吸収など)を引き起こすことがあります。